今回はゲームの「テーマ」について。
よく物語作りの指南書には「テーマを決めろ!」とか書いてあったり。
逆に著名な作家などが「テーマなんかいらないです」とか言ってたり。
どっちにせいっちゅうねんという感じですが。
だいたい信頼出来る作家さんは「テーマはあっても隠せ」というスタンスが多い気がするので、私もそれに倣おうと思います。
で、『カルト』はテーマが「童話」なわけなんですが。実はこれはなんとなくキャッチーだと感じて決めたことです。
「みんな童話好きだよね」っていう不純(?)な動機です。
『芥花』も「秘密」と「拷問」がテーマではありますが、プレイした方は分かると思いますが、「拷問」はただの道具に過ぎません。
「秘密」の方が語りたかったことの本筋です。
そして「童話」もまた道具です。
ただ、「童話」は使い古されてるので、ちょっとイマイチだったらすぐに放棄して構わないと思っていましたが、
うまくマッチしそうになってきたので、このまま行こうと思います。
「童話」というとペローやグリム、アンデルセンのような子供のためのメルヘンであったり、あるいは「実は残酷なおとぎ話」みたいなスキャンダラスなものであったり。
両極端な面がありますが、私が興味あるのは古代の儀式や教義の気配が垣間見える、伝説・伝承としての昔話です。
ホモサピエンスの旅と歴史、人類学、民族・民俗学としての御伽話の研究、といったものに惹かれます。
しかし、果たしてそれがうまいこと物語になるのか…。
つたないながらも昔話を改作したとして、それは現代人の心に突き刺さるのか…。
(『芥花』は現代の少女たちの物語なので、突き刺さるであろう手応えは多少あったのですが…)
「童話」とテーマを決めたものの、私の興味ある分野と、恐らくみんなが興味ある部分には違いがある。
『芥花』の「秘密」にあたるコアの部分を見出そうと、何か月もひたすらうんうん唸っておりましたが、ようやく不定形ながらも何かを掴んだ気がします。
ほんとかいな~! やっぱり気にくわなかったら、またこねくり回すかもしれません。
そして、流行りを追いかけるのも大事なのですが、やはり昔から自分が興味ある分野には創作の鍵がたくさん埋まってる気がします。
これは、多少なりとも長く生きてきてやっとこさ最近悟ったセオリー。
本日の執筆中のBGM Sound Horizon「聖戦のイベリア」