「養蚕技術研究所」
遥か東方の地ではヒツジではなく虫が糸を産むのだという。
その虫に、惚れこんだ男がいた。
男は、その虫の卵を手に入れたので私に虫を育てる場所を提供してほしいと持ち掛けてきたのだ。
東の国で流出を固く禁じられている虫をどうやって手に入れたのかは、想像しないでおこう…。
■建設地■
■外観■
男は、もともと農家として使う予定だったこの建物を見るや「ここを使わせてくれ」と即決した。
どうも柱に使われている白樺の樹皮の模様が、例の虫の色に似ていて気に入ったらしい。
軒先には虫の糸から織られた布で出来た服が見本として飾られている。
■虫の餌畑■
この虫はある樹木の新鮮な葉しか食べない。
建物の前を畑として、その木が豊富に植えられている。
■室内■
虫は寒すぎると死んでしまうので暖炉のある部屋で飼育されている。
梁から垂れ下がっているのが織られた布だ。
■蚕室■
ここは虫の成虫に卵を産ませるための棚だ。
成虫は翅があるが飛ばない。
卵は奥の箱の中に入れられ孵化を待つ。
孵化した幼虫はここで葉を食べ育つ。
周りには新鮮な葉のストックが常に用意されている。
大きく育った幼虫はやがて蛹になる。ここが蛹化室だ。
左には容器の中に綺麗に並んだ繭が見える。
繭は、卵を産ませる個体だけを残し、あとはこの釜で茹でられる。
可哀相だが綺麗で丈夫な糸を採るにはこうするしかない。
近くの丘に、男が置いた虫たちの慰霊碑がある。
まだまだ織られる布の品質は、東方産の物と比ぶべくもない物だが。
いつかこの産業が農家たちの助けになればと思う。
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今回は「養蚕」です。もちろんロールプレイ建築です。
「桑畑みたいなのが作りたいな~」と思い立ち、なんならカイコでも育てようかと。
白樺の原木ってカイコの模様っぽいよなぁと思いつつ、さすがに全面に使うのは気持ち悪いので柱にだけ使用。
さすがに虫本体の表現は出来ませんでしたね…。
困ったときの日照センサー、前は塩の標本、今回は繭に。
こんな感じで、あまり他人がやらなそうな産業シリーズがいくつか続くと思います。
(建屋は、てんやわんや街長氏の建築を元にアレンジ)
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